手延べ打ち南関素麺の始まりは、今より約二百五十年前…いわゆる徳川時代の宝暦以前である。


こちらの気候風土が素麺の製造に適し、特に良質の小麦を産するため、ここに発達したものである。


その独特の風味は万人に親しまれ、徳川時代に肥後藩主細川氏は参勤交代の時に必ず


肥後の土産として南関素麺を徳川将軍家に献上していた。


製造法は独特の秘法としていて、代々受継がれてきたものである。


明治時代となっても細川候は明治天皇に毎年献上され、県知事も熊本県の名産として


上京の折は在京の知名士に贈ったものである。


尚、各地の博覧会や名産展示会に出品して、優等賞状を授与され今日に至ったのであるが


『雪の白糸』と銘打って南関町の郷土芸術としての面影をとどめている。


南関町出身の詩人・童謡作家・歌人でもある北原白秋は、次のように歌をのこしている。